ROBODEX2002 REPORT ver0.44嗚呼、シルバーガンが行く… 帰ったらサターンに火入れてやるかな。 そんなわけで、 ROBODEX2002 ORE NEWS REPORT 今回最大の収穫であったソニーのハロことQtaro。 球形のボディにカメラや赤外線センサーやマイクやスピーカを装備。 持ち主の起床を感知すると一緒に起動し部屋中を転がり音楽に合わせて光ったりする。 まず驚いたのが造形の完成度。 まるでボウリングの玉のように美しく表面加工されている。 「何をさせるか詳しく決まってないんだけどとりあえず作ってみた」らしいのだが、 プロトタイプの段階で製品レベルのクオリティできっちり作りこんでしまう、 ソニーデザインセンターのパワー。 Qtaroのデモステージ全景。 ここに7台のQがあり 別のショーケースに6台あった。 さらに予備で何台か控えていた。 全て実働モデルで転がったり光ったりしている。 既に金型が作られているんでしょうな。 Qtaroは本体下部に光学センサーがついていて、 床の状態をモニタリングしている。 黒い部分には入らないように設定してあるみたいで、 この縁取りがあるおかげで台から落ちずに転がり続ける。 黒いラインはただのラインであって盛り上がったりはしていない。 Q自身の速度も遅いせいもあるが、 こんなに細い余白でも落ちないくらいの精度で動ける。 Qtaro本体は球の形をしていて、 南半球が左右対称に削られており、 そこにボール状のタイヤがつけられている。 駆動系としてはジンジャーやデジQと同じ二輪のシステム。 同じ速度で同じ方向に回せば直進や後退、 違う速度で同じ方向に回せば左折や右折、 逆方向に回せばその場で回転といった単純なもの。 そして重要なのが本体をすっぽり包む球の中に入っている事。 キャタピラの最小単位。と言えばわかるだろうか。 イギリス製のスパイアクションバカ映画アベンジャースで、 女エージェントと紳士の格好をしたままのおバカが、 人間がすっぽり入る球の中に入って、 水面を歩いて敵のアジトに乗り込むシーンがあって、 腹抱えて笑った事がある。 ところがどっこい、後述する東大の教授がプレゼンで、 「悪路の踏破性を向上させるなら、車輪の数を減らして、径を大きくしてやればいい、 工事現場の一輪車がちょうどそんな感じですよね。」 と言っていた。 つまりこの状態になる事でQtaroは一輪車と同じ車輪の数と、 自分の全長と同じ大きさの車輪を持っている計算になる。 さすがに水面の上を転がるのはフィクションな世界だが、 例えば、最近流行りのバリアフリーな住宅であれば全領域を動ける。 総合警備保障の自動警備ロボット。 オフィスが閉鎖される時間になると自分で動き、 自らエレベータを操作して階を移動し警備するという。 当然、エレベータの段差をクリアする想定で設計されているはず。 その足元にはQtaroの大きさと同じくらいの車輪がついている。 自分の数倍もあるロボットに匹敵する行動半径。 実際には機体重量が軽すぎるので同じ踏破性能があるかは分からないが、 Qtaroの持つ可能性は計り知れない。 Qtaroはバッテリーが残り少なくなると、 ベースに立てられたアンテナから出る電波をたよりに、 自分でベースまで帰ってきて自動的に充電を行う。 ベースの接写。 そこに電気的な端子はない。 コードレスの子機や電動ハブラシと同じ電磁誘導式の非接触型の端子か。 Qtaroはこの僅かなヘコミに転がりこんだあと、 内部で本体だけを回転させ、端子の向きを合わせる。 見てるだけで凄い燃える。 メンテナンスを受けるQtaro。 殻を割りハッチを空けて部品交換をしている。 右下に置いてある黒と赤の棒状の部品が、 デザインからして恐らくバッテリーと思われる。 ビデオカメラか何かの流用かもしれない。 バッテリーはエヴァンゲリオンのエントリープラグよろしく、 Qtaroの地表に対して垂直に挿入される。 そしておそらく本体奥まで入れられて転がる為の重心としての役割も果しているはず。 Qtaro後部。 3枚あるハッチの一番上。 PARIETAL LOBEとか書いてある。 中で二色のLEDが光っているのが見える。 北極部にはマイクとスピーカ、そして赤外線か光かのセンサーがあり、 透明な殻をなでなでしてやると喜んで鳴く。 二枚目。 FRONTAL LOBEとか書いてあるみたいだけどよく見えない。 中には基板が見える。 三枚目。 OCCIPITAL LOBEとか読めるがどうだろう。 こちらも中に基板が見える。 それぞれのハッチがどう機能しているかわからないけれど、 エヴァのMAGI(カスパー・バルタザール・メルキオール)を思い出したりして、 わざわざデカール作って貼ってしまうあたりが入社してぇ!ソニーデザインセンター! 下の白く丸い部分は、 2本のタイヤだけじゃ脳震盪を起こすのでついてる3本目の足か。 右下には4号機とのマーキング。 Qtaroの基地局となっているコードレス電話機。 普通のコードレスか、PHS機能か、Bluetoothかは分からない。 ステージ上に2つ用意されてるベース部に合わせて2台が置いてあった。 画面は特殊なサービスモードか何かになっていて、 2バイトの16進数が2つ表示されている。 手元のQtaroをなにやらいじって数字の変化を見ていた。 バッテリーの電圧だろうか。 なんでこんなもんでコントロールしてるんだろう、 それこそお得意のバイオファミリーの一部とでもすればいいのにと思ったけれど、 逆に、PHS子機として利用可能なのであれば、 特殊な装置の追加を必要とせず運用できるかも。 ショーケースで展示されているQtaro。 上の4台はMDが接続されて音楽に合わせて光っている。 下の2台は先ほどと同じように転がっていて、 2台が衝突すると通信でお互いを確認、 適当に光の挨拶を交わしたあと、また来た道を戻って転がっていく。 えーと、Today'sロリSHOTハンターさんに捧げる。 先ほど当て馬にさせてもらった総合警備保障の警備ロボット。 前回のROBODEX2000で出展されたロボットのプロダクションモデル。 4/1から販売受付開始予定だそうだ。 普段は受付に立ち、ナカトミプラザのエントランスよろしく、 情報パネルとして機能、客人の向かう先を画面で案内した後、 エレベータの前まで誘導するらしい。 そのデモ。 緊急停止ボタンのようなもの発見。 ルパンが天井から逆さまにおりてきて、 クリカン声で「お疲れさん、ちょーっとだけオネンネしててねぇーポチっとな」 みたいな光景を想像した。 香貫花「やってるわよ!でもリセットしてもまだ動く! 恐らくバックアップメモリーに侵入して、 プログラムを復元しているのよ!」 泉「その位置は?!」 香貫花「首の後ろ!!」 泉「貰ったぁっ!!」 ばっすんばっすん。 泉「止まれぇぇぇ!!」 実際にここに何が入っているのかは知らん。 ベースユニット上部にあったインフォメーションパネル。 バッテリーの残量だけが表示されている。 今はただLEDが並んでいるだけの味気ないデザインだが、 有機ELが普及する頃には、ただのインジケータも、 エヴァちっくな小洒落たベクターデザインなコンソールになるのかも。 その上には保守作業の為に用意されているサービスコンセントか。 PDAがバッテリー切れを起こしたときは、 綜合警備保障ロボのあるとこまで到達できれば盗電できるかも。 富士通による人型ロボットのテストモデル。 HONDA P3以降、人型ロボットの関節メカニズムは、 太もも部と足首部に横方向への関節を施すデザインで統一されてしまった。 先行者もP4-ASIMOもSDR-3XもSDR-4も出渕デザインメカも。 関節好きで前張り好きな人が一冊本を作ってしまう程に。 このトレンドが打破される日は果して来るのか。 小型ロボのスペックシート。 先行者では外部に突出しなければならなかったモータが、 日本の技術力ではこんな小さなスケールでもフラットにできる。 CPUはMMX-Pentium、OSにはLinuxを採用。 そして体内のデータバスとしてUSB1.0が採用されている。 またこのバスを利用してファームの書き換えも可能。 帆場の見た世界がゆっくりと具現化してゆく。 会場内で見かけた注意書き。 Bluetoothが本格的に普及すれば、 ひとつの電波圏内で数百台が動くようになる。 当然、そうした状況でもコンフリクトしないような仕組みが用意されてるはずだが、 今はまだマイナス要因の可能性が大きいらしい。 次のROBODEXがいつになるのか知らないけれど、 そのときにはこの張り紙を思い出して笑えればいいけどね。 | |||
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